個室ヒーリングから育毛コースへ

ヒーリングから育毛コースへ!

髪と頭皮に関するプロとしての責任感が

ヘッドスパ専門店の信頼を形成する

 

埼玉県・浦和でヘッドスパ専門店「PULA」を経営する辻敦哉オーナーは、かつて勤めていたサロンでヘッドスパ技術に可能性を見いだし、ツボや経絡、整体などを学んでオリジナルのヘッドスパ技術を生みだした。ヒーリング中心から本格的な育毛知識を採り入れたサロンへと進化したことにより、口コミとウェブサイトだけで新規集客を実現する。そこには、常に最新情報を入手してわかりやすく発信しつづけるオーナーの努力と、お客様からの絶大なる信頼があった。

 

(サロンデータ)

サロン名:healing head spa PULA

代表者名:辻 

所在地:埼玉県さいたま市浦和区東仲町

創業:2011年4月

スタッフ数:1名

サロン面積:●●坪

シャンプー台:1台 

個室:2部屋

主な施術料金:オイルヘッドスパコース スカルプヘッドスパコース

埼玉県さいたま市のJR浦和駅から徒歩3分、閑静な住宅街の一角にある「PULA」は、辻敦哉オーナーが1人で営業するヘッドスパ専門店だ。外から施術の様子などはまったく見えないため、「近所の人も何の店か知らない人が多いかもしれないですね」と辻オーナーは話す。

 

 もともとは東京・渋谷にある高級グルーミングサロンで店長兼幹部として勤めていた辻オーナー。そこは、カットだけでなく男性向けフェイシャルエステやレディースシェービングにも力を入れているサロンだが、当時の辻店長がお客様から高い評価を受けていた技術がヘッドスパだった。

 

「以前勤めていたサロンでは、他店よりも内容の濃いヘッドスパを行なっていました。会社の規模はそれなりに大きいですからマニュアルもあって、それに沿って施術をするんですが、最後に少しだけ自由に使える時間があったんです。そこで僕は自分が好きで学んでいたツボや経絡の知識を使ったサービスをしていたんです」

 会議の予定が入ると必ず事前にヘッドスパだけを受けに来るお客様など、ヘッドスパの指名客は徐々に増えていく。その技術は口コミで人気を集め、ゴッドハンドとまで呼ばれるようになる。

 

「初めのうちは、他のメニューのついでに眼精疲労とか頭痛持ちとかで受ける方が多かったですね。それが、だんだん精神的な癒しというか、ヒーリングを目的にヘッドスパだけ受けにくる方が増えたんです」と辻オーナーは当時を振り返る。

ヘッドスパには人間の心を癒すヒーリング効果があるのではないか。その効果を最大限に引き出した施術がしたい。そう考えた辻オーナーは、ヒーリングを最大の売りにしたヘッドスパ専門店の出店を決意したのだ。

ヘッドスパを専門に扱うことの意味とは?

 

サロンの立地には、通勤に便利な駅のすぐ近くという条件は外せなかった。ヒーリングを求めるのは働き盛りの30~40代だと思われたからだ。さらに、ヒーリング効果を高めるためには静かな場所が条件だった。駅近と静か。相反する条件を備えていたのが、現在サロンのある浦和だった。

「浦和駅は多くの人が通勤に利用する駅ですし、近くにはパルコなどの商業施設もあります。人の出入りは多いのに、駅のすぐ近くが住宅街になっていて、ちょっと入っただけでこのあたりはすごく静かなんですよ」と辻オーナー。自身の地元にも近く、昔から馴染みのある場所というのも決め手になったという。

 そして2011年4月、ヘッドスパ専門店「PULA」は創業した。だが、満を持しての起業というわけにはいかなかった。なぜなら、3月の東日本大震災で流通経路が断たれ、施術に必要な設備などが十分に整わなかったばかりか、計画停電で電気の供給が安定しない状態がつづいたからだ。一世一代の独立、形だけ開店しているような状態のなか、辻オーナーはかえって自分自身と向き合うことができたと考えている。

「もちろん、被害の大きかったところに比べたら僕のところなんてどうってことないです。ただ、オープンしてからのあの数カ月がヘッドスパ専門店としてどうやって理美容室と差別化をはかっていくかを冷静に考える機会にはなりました」

 ヘッドスパ専門店とは何なのか。ストレス社会といわれるなか、薄毛や細毛に悩む人口は男女を問わず増加傾向にある。最近は、ヘアケアよりもスカルプケアに注目が集まり“頭皮の美容液”などと謳った商品が続々と発売されている。理美容室のヘッドスパメニューも注目され、それを受けて「ヘッドスパ」と大きく書いた看板を置くサロンも増えた。大手サロンでは、ヘッドスパ専門店の出店に取り組み始めたところもある。

 

ヘッドスパヒーリングのビジネスモデルの先見性

 

しかし辻オーナーは、「単純にビジネスモデルとして食いついたらヘッドスパ専門店は儲からないですよ」と、業界内で加熱するヘッドスパブームに待ったをかける。

「オープンしたときは、ヒーリングを謳っているからヒーリング目的のお客様が来るだろうと思っていたんです。でも、育毛の相談に来られるお客様が意外に多かったんです。僕もある程度の知識は持っているつもりだったんですが、今はインターネットがありますから、すでにネットで調べつくしたお客様が、最後に駆け込んで来るんです」と辻オーナーは話す。

 ヒーリングヘッドスパ専門店としてオープンした「PULA」だが、現在は、ヒーリングが3分の1、眼精疲労などのケアが3分の1、そして育毛が3分の1という状況だ。もし、生半可な気持ちでヒーリングだけのヘッドスパ専門店をつづけていたなら、今には至らなかったと語る辻オーナー。ヘッドスパ専門店をわざわざ選んで来店するお客様に真摯に向き合うためには、育毛についての専門的な知識も必要だと早い段階で気づき、独自に勉強と研究をつづけてきたのだ。

ヘッドスパは良い意味でも悪い意味でも、簡単に始められる。がしかし、だからこそバックボーンになる、知識や技術力、モチベーションが大切だ。現在の業界を見ると、ヘッドスパを簡単に考えすぎではないか?

美容室は、ヘッドスパ=アシスタントの仕事が定番になっているが、その事自体を客観視する必要があると、辻オーナーは話す。