オーナーが生み出すヒーリング効果

埼玉県さいたま市のJR浦和駅から徒歩3分、閑静な住宅街の一角にある「PULA」は、辻敦哉オーナーが1人で営業するヘッドスパ専門店だ。外から施術の様子などはまったく見えないため、「近所の人も何の店か知らない人が多いかもしれないですね」と辻オーナーは話す。

 

 もともとは東京・渋谷にある高級グルーミングサロンで店長兼幹部として勤めていた辻オーナー。そこは、カットだけでなく男性向けフェイシャルエステやレディースシェービングにも力を入れているサロンだが、当時の辻店長がお客様から高い評価を受けていた技術がヘッドスパだった。

 

「以前勤めていたサロンでは、他店よりも内容の濃いヘッドスパを行なっていました。会社の規模はそれなりに大きいですからマニュアルもあって、それに沿って施術をするんですが、最後に少しだけ自由に使える時間があったんです。そこで僕は自分が好きで学んでいたツボや経絡の知識を使ったサービスをしていたんです」

 会議の予定が入ると必ず事前にヘッドスパだけを受けに来るお客様など、ヘッドスパの指名客は徐々に増えていく。その技術は口コミで人気を集め、ゴッドハンドとまで呼ばれるようになる。

 

「初めのうちは、他のメニューのついでに眼精疲労とか頭痛持ちとかで受ける方が多かったですね。それが、だんだん精神的な癒しというか、ヒーリングを目的にヘッドスパだけ受けにくる方が増えたんです」と辻オーナーは当時を振り返る。

ヘッドスパには人間の心を癒すヒーリング効果があるのではないか。その効果を最大限に引き出した施術がしたい。そう考えた辻オーナーは、ヒーリングを最大の売りにしたヘッドスパ専門店の出店を決意したのだ。