【塩素を含んだ水道水で髪を洗うほど薄毛リスクが拡大】
多くの男性にとって毛髪問題は避けて通れない道。約4400億円という発毛・育毛剤の市場規模が示すようにケアを行っている男性は増えているが、「その割に髪の健康によくない生活習慣を送っている人が多い」と明かすのは、育毛専門ヘッドスパを経営する辻敦哉氏だ。
「水道水には殺菌消毒用の塩素が含まれているのですが、髪や頭皮にとっては毒。法律で0・1ppm以上の塩素濃度にすることが定められています
※東京や大阪などの大都市では、10倍近くの1PPM程度の観測結果がでる事もあると言われています。これは0・4PPM基準のプールよりも高い塩素濃度です。
髪と頭皮は一瞬で塩素を吸収するため、毎日お風呂に入るたび、シャワーを浴びるたびに塩素を蓄積しているのです。実際、頭皮にかゆみを感じていたり、炎症を起こしている人、髪にツヤやコシがない人は、塩素が原因のケースも少なくありません」
つまり、毛髪が寂しいと感じる人がまずすべきことは育毛剤ではないということだ。
「備え付けのシャワーヘッドを塩素除去のものに交換するだけです。万人に効果が望めない育毛剤に毎月高いお金を払い続けるよりも、シャワーヘッドを買うほうが安上がりだし、なにより悪い物質を取り除く分、健康です」
また、市販のシャンプーにも注意をしたい。
「実は、ボトル1000円以下のシャンプーの多くは、食器用の洗剤と同じ合成の界面活性剤が使用されています。発毛障害の影響が懸念されているラウリル硫酸アンモニウムなど毒性の強い成分が含まれているほか、洗浄力が強すぎて皮脂を洗い流してしまい、頭皮にいる善玉の常在菌まで殺してしまう。ちなみに合成の界面活性剤を含まないシャンプーは色が透き通っており、使うならこちらにしたほうがいいですね」
さらに風呂上がりのドライヤーも熱風は髪と頭皮へのダメージが大きいのはご存じだっただろうか。
「使うなら冷風です。それも角度を調節して頭皮に風を当てないようにしましょう。ただ、長髪でなければタオルで拭けば15分ほどで乾くので自然乾燥で十分です」
あとは広く知られているが、強い紫外線も髪や頭皮には毒だ。
「紫外線の強い夏場、外出する際の帽子はマストです。帽子による蒸れよりも紫外線のほうがダメージです。それと、軽視されがちですが朝食も大事です。食事による栄養素は朝食が最も身体に吸収されやすいからです。髪のほとんどはケラチンというタンパク質で構成されており、紫外線によって破壊されたケラチンも食事によって補ってくれます。なお、昔から髪によいとされているワカメやヒジキですが、あれは迷信です(笑)」
体の栄養状態は髪にも表れるということだ。ハゲてからでは遅い。薄毛を食い止めるために、ひたすら悪いモノは取り入れず、健康を保つことが重要なのだ!
1 備え付けのシャワーを使っている
2 安いシャンプー(1000円以下)を買っている
3 熱いドライヤーで乾かす
4 夏は帽子をかぶらない
5 朝食を食べない
塩素除去シャワーヘッドは安いものなら2000~3000円で手に入る。育毛効果を考えればコスパは抜群だ
育毛剤でプラスするよりも、先決すべきは、頭皮にある塩素を除去するべく、シャワーヘッドを交換することだ。塩素除去のシャワーを使うだけでも、抜け毛が減ったりと劇的な変化も現れる
理容師
辻敦哉氏
ヘッドスパ専門店『PULA』代表。
著書に『世界一簡単な髪が増える方法』(アスコム)がある